眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

最強ミステリ映画決定戦

洋泉社/2016年刊行/

映画秘宝関係者100人のアンケートを集計してベストテンを選出。1位が「サスペリアPART2」というのは、既存のアンケートでは決して1位にはならなそうで面白い。というのはいいのだが、果たしてミステリ映画かと言われると首を傾げたくなる。あの瞬間は確かに、映像マジックとしては最強にして最凶と言えるかもしれないが、その冗談のような狂気を評価するのなら、同監督の「トラウマ」なども、犯人が使った初歩的な(唖然とする)トリックも含め、ミステリ映画として評価してもらいたいところだ。いや、ミステリ映画というのなら同監督で言えば「シャドー」の方がずっとミステリ趣味は濃かった。が、誰も相手にしていないようだ。

そもそも「ミステリ映画とは」という定義があいまいで、いわゆる広義のミステリを対象としているために(「激突!」も「ブルー・ベルベット」も「ガス人間第1号」も好きな映画だが)、こんなことになる。選出者各人のミステリ観に別に文句はなく、いずれも面白く読んだが、ここで扱われている映画の大半は、ミステリ趣味のあるサスペンス(やホラー)映画ではなかろうか。しかしよくよく考えてみれば、厳密な意味でのミステリ映画というものは、それほど数は多くないのではないか…という気もする。

アンケート回答者が選んでいるもものうち、NETFLIXで見られる(わたしが未見の)ものを探してみると→「フローズン・ライター」「不吉な招待状」「黒い罠」「パーカー」「灼熱の魂」「砂の器」「紀子の食卓」「凶悪」「ナインス・ゲート」「最後まで行く」「私が、生きる肌」「ダ・ヴィンチ・コード」「シャッター・アイランド」「ネオン・デーモン」「シュタインズ・ゲート」「共犯」「タロットカード殺人事件」…といったところ。ないようであるようでない、という感じ。ちょっとづつ観て行こうと思います。