眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

1月9日(日)

TOHOシネマズなんばで『チェブラーシカ/くまのがっこう』。六本木となんばでのみ、ロシア語版で上映されるのでいそいそと。日本語版でも良かったのだが、そちらはカットされているというから、同じ料金払うなら完全な形で観たいと思うのは当たり前だろう。3話からなっており、1話目はオリジナルの1話目の完全なリメイク。リメイクというよりも俗な言い方をすれば完コピ、というべきもので、徹底的に再現しているサマには呆然とするほど。あとの2話は、サーカスに入りたい女の子マーシャの話と、赤ん坊だったころに別れてしまった孫の行方を捜している老マジシャンの話。パペットアニメとして上出来なのは勿論のこと、何十年という時を隔てているのに、オリジナルのキャラクターと今のキャラクターが自然に馴染んでいるところも良かった。チェブラーシカの世界観を丁寧に再現した描写が嬉しく、違和感なく見られるのは本当に素晴らしい。嬉しくなってしまう。友達や肉親など、人間関係(人間に限らないが)についての物語であり、それがテーマとしてドラマの核としてしっかり描かれているので、上っ面だけの人形劇に終わらず感動してしまう。家々の窓に明りが灯っていくラストシーンに思わずじーんとしてしまった。ジャッキーの方も絵本のような素朴なタッチが美しく、単純な物語ながらも、これも丁寧に物語を運ぶ誠実な映画化だと思った。どちらの作品も文句のつけようのない素敵な出来栄え。

ブックオフで、ジェローム・K・ジェローム『ボートの三人男』、デュマ『モンテ・クリスト伯(五)』、松尾由美『ハートブレイク・レストラン』。315円。