眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

エクスペンダブルズ2

リアム・ヘムズワースが自分の経歴を話す場面での、それを聞いている面々の表情がいい。多かれ少なかれ、彼らは皆、ヘムズワースと同じような経験をしているのだろう。身につまされる話しなのに違いない。同じような境遇で生まれる連帯感、だからこそ彼らは一枚岩のごとき固い結束力で作戦に挑むのである。またヘムズワースとチームの面々との年齢差を考えれば、彼らは父と子の関係にも置き換えられる。チームだけでなく、父と子の関係があり、だからこそヘムズワースの死に、他人事ではない怒りを覚えるのだ。

スタローンが彼の死にうなだれるさまは、次世代アクションスターが育たないことへのいら立ちと哀しみが重なっているようにも見える。同時に今年の7月に亡くなった息子、セイジ・スタローンのことも思い出した。セイジの死よりも先に撮影は終了していただろうが、完成した映画にその死を悼む匂いが全くないとは思わない。ここにはスタローンの二重の悲しみが刻まれていると思う。