眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

11月24日(土)の日記

天気は曇り寄り。

梅田ガーデンシネマで『桃さんのしあわせ』。アン・ホイの映画を観るのも久しぶり。ドラマティックなことなどない、静かで淡々とした映画。一種、ドキュメンタリ的な視線も感じられて、どこの国でもどんな人にでもやってくる人生の最後について、色々考えさせられる。こういう映画を観ることで、日々の移ろいや、人との関係などを改めて考える機会としたい。特に狭い世界で生きているわたしのような人間は。平穏に、そしてきちんと生きることは本当に大切なことなのだと、それだけで貴重なことなのだ、としみじみ実感する。ディニー・イップの老け具合が本当なのかメイクなのかわからず、非常に戸惑う。こんなにおばあさんのはずないのに…と。と同時に、声を荒げる場面などで、かつてコメディ映画でよく見たディニーの姿を思い出して、映画館の中でひとり、クスリと笑いをもらす。ツイ・ハークやサモハンをはじめ、多くの映画人、アンソニー・ウォンやチャップマン・トーといった俳優たちのゲスト出演もにぎやかで愉しい。まさかのレイモンド・チョウにはびっくり。

続けてシネリーブル梅田で『ボディ・ハント』。アメリカでは人気急上昇というジェニファー・ローレンスが主演のサスペンス映画。と思って観たら、アイドル映画であった。シネマスコープにもかかわらず、アップの連続で暑苦しく狭苦しいことこの上なく、パッツンパッツンのジェニファーの顔だけを拝んでいる限りではちっとも外見的な魅力を感じないのだが、たまにカメラが引いたときに、初めて思いの外スラリとした体形が映し出されて、なるほどこういう女の子なのだなとやっと納得出来るという按配。原案にジョナサン・モストゥがクレジットされているものの、いつ頃のアイディアで、どれくらい詰めたネタだったのかが判らないが、確かに『ブレーキダウン』を思い出させる異常心理サスペンス映画としての形は整ってはいるが、脚本のせいか監督のせいかあれほど緊密なサスペンスは生まれることはない。けれども愉しく観た。ひとつ気になったのは、ジェニファーが仲良くなった女の子と二人、車で家まで送ってもらうシーンで、その友人が車を降りて家へ帰っていくカット、後ろ姿なので間違いなくダブルなのだが、それがもうぶりぶりに太ってんの(特にお尻回り)。友人役の女の子とは全然違う体形なんで、それはないだろうと思ったがおそらく誰も気にしていまい。


梅田スカイビル下の広場では毎年恒例のクリスマスイベント。クリスマスツリーがまんなかにデンとそびえ、由緒あるメリーゴーランドが回り、お店が色々と軒を連ね、コーラスグループによるアカペラが響き…当たり前のことかもしれないが、歌われているのはもうクリスマスソングで、否応なく年末気分にさせられる。お店をつらつらと覗いて回る。色んな雑貨やグッズなどが売られているものの、どれもお値段がそこそこで手を出す気になれず。かわいいオーナメントとかもあったけれど、余裕で1500円くらいするのである。ソーセージなども高い。軽く食べようという気にもなれない。さびしい気持ちを抱えて帰宅。