眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

12月9日(日)の日記

二日続けて外に全く出ないのもどうか。以前は平気だったのだが、最近は勿体ない気がしてしまって、用事がなくても土日のどちらは必ず、散歩程度でも外に出るようにしている。まあ、二日とも雨だったりするとしょうがないけれども。あ、今日は大阪でも雪がチラついてました。

ということで『のぼうの城』を観て来た。公開されて1ヵ月以上になるがお客の入りはまずまず。犬童一心樋口真嗣の共同監督とあるが、監督が二人いることの違和感はない。入念に打ち合わせをし、現場でも意見を交わしながらの撮影だったのだろうと推察。佐藤浩市が馬にまたがり、野村萬斎を探して走り回る場面からして、シネスコを生かした引きの画、構図、スケール感など、映画らしい映画を観ている喜びがある。スカッと抜けた気持ちよさ。俳優たちの芝居は抑えたカメラワークで撮られているので、芝居がきちんと収められているのも素晴らしく、また合戦シーンも徒に揺らしたり動かしたりしていないことで、昔ながらのまっとうな娯楽映画を観たような感じ。目先、小手先の技術だけでは描けない、語れない物語が世の中にはあるということか。奥から手前へと配置された俳優たちがいて、周囲の様子の変化と共に、手前の山口智充から奥の萬斎へとピントが移るシーンなど、単純ながらもドラマとしてしっかりと設計されたシーンなので、おっ、と思わせるものがある。

公開が一年延期された理由は、水攻めの場面ゆえだが、確かに津波の映像を思い出させるものがあり、気持ちとしては複雑。特撮としては実際の水落としによるアナログ大特撮の興奮があって素晴らしいのだが…。本当に昔の東宝特撮映画のような構図で、往年の特撮ファンは必見ではある。本来ならクライマックスに相当するであろうこの水攻めは、ドラマ的には映画の中盤にあるため、以降の展開が少々間延びしてしまううえ、宣伝上では「奇策」とあるためによほどのことがあるのではと期待したせいもあり、少々肩透かし。ではあったのだが、一対一のフェアプレイとそれを見守る軍勢の様子、田楽の場面の愉しさなどなど、映画の各所に気持ちの良い見せ場をたくさん設けていることもあり、最後まで面白く観ることが出来た。場内の受けもなかなか良く、これなら老若男女が愉しんで帰ることが出来るだろうと思われるのも好印象。あと、山田孝之、ここでもいい。役柄もいいしね。平岳大の傲岸不遜ぶりもよかった。


帰りに『本の雑誌』を買う。古本と古本屋が好きだという物好きは必読と思われる。愉しみ。

古本の雑誌 (別冊本の雑誌)

古本の雑誌 (別冊本の雑誌)



本日の驚愕映像

このオルゴールの上に、鳥のおもちゃが乗っかるんだね。たとえばこんな感じ。