眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

1月1日(土)

気まぐれかたまたまか、当ブログへ辿り着いてしまった皆さま。あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。


さて年明け一発目、恒例の『相棒スペシャル版。毎年、大掛かりな設定の割にはこじんまりと決着がついてしまう話が多いように思われるが、今回は、息子を殺された主婦(南果歩)が復讐の鬼と化し、完全犯罪を目論むが…という話で、はっきり言って地味な内容。が、南果歩の心情と行動を切々と語ることで、悲劇的なサスペンスが盛り上がっていく。これくらいじっくりと描いてくれれば、地味な話もそれだけに終わらぬ、ドラマの説得力と厚みを持つというもの。平行する事件関係者たちの心情も、母親をキーワードとして描かれていき、クライマックスの南と白石美帆の対決へと自然にドラマを運ぶ。南果歩の、狂気に足を踏み入れた様子が静かな迫力。なかなかの力作だった。大晦日には、劇場版の『相棒Ⅱ』も見て来たのだが、これはこれでまた凄い映画。いやほんと、なんだよテレビドラマの映画版なんて冗談じゃねえよ、と思う人も多いと思うんだけども、警察上層部との対決、という話はいつもに増して硬質で重く、見応えがある。権力に対して喧嘩を売る姿勢が凄く、現にここまでのことを描いたメジャー系の邦画など、最近ほとんどないことを思うと、テレビ屋の作った映画もどきだろう、なんてことは決して言えないと思うよ。あと、小西真奈美の銃の構え方が様になっていてかっこ良かったな。