眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

2月8日(火)

朝倉世界一月は何でも知っているかも』(エンターブレイン)を読む。短編を集めた作品集。パチスロ7に連載されていた『スーさんとロットちゃん』も可愛らしいが、それ以上にコミックビームに掲載された3作品『女社長の日々』『ターナーさん ありがとう』『Nyanderful』がとにかく素晴らしい。これらの作品はどれも、ここからどこかへ行く途中の物語である、という点で共通している。どの話にも終わりらしい終わりがないことで(『スーさん』は強引に終わっているけど)、永遠に途中であることが強調されている。『デボネア・ドライブ』にしてもそういう物語であるし、その感覚を大事にしている人なんだろうなあ、と書いてきて、本のカバーにちゃんと「今日も、旅の途中です。」とあった。まあこれは『ターナーさん ありがとう』からのイメージなのだろうけど。それはそれとしても、この「旅の途中」感には、作家性がちゃんと生きていると思う。