眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

『相棒』 Season9 最終回

録画していたのを見た。脚本は戸田山雅司輿水泰弘。監督は和泉聖治。映画版2作目と同じ組み合わせであり、小野田官房長が重要な役回りとなる点で、映画のその後、的な物語になっていた。しかし、骨太な展開は良しとしても、官房長や片山雛子が事態を先回りしてすべてを把握していた、という物語の作り方は少々行き過ぎている感じがあり、そこまで先読みが出来てしまうと、偶然事件の手掛かりを続けざまに得る、みたいな御都合主義と似たような荒唐無稽さが強くなってくる。古谷一行津川雅彦木村佳乃内山理名といった面々はなかなか豪華で、これまでの彼らのドラマを踏まえた内容なのは見事だし、多くの人間が入り乱れ、それぞれの思惑をミステリアスに描いたことは面白くもあるが、ドラマの着地点をどこに置こうとしているのかが見えにくく、結末にキレを失ってしまっている。実に惜しい。しかしこれで9シーズン目も終了。次はどういうことになるのか、また愉しみにしておきたい。また、瀬戸内米蔵や片山雛子が、神戸尊を知らない、ということは、亀山薫がいなくなってから彼らの登場が久しくなかったということであり、そんなに長い時間が経っているのか、ということもちょっと感慨深い。長大なシリーズになりましたなあ。