眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

木造迷宮(1)/アサミ・マート(徳間書店)


木造の一軒家に住む三文小説家(独身)。そこに住み込みで働く女中さん。この二人を中心にした、ほのぼのとしたコメディ。時代設定は明確でなく、おそらくパラレルな昭和、ということなんだろう。冴えないおっさんと可愛い女中。この組み合わせで、第1話、一日眠りこんで何も出来なかったので、せめてひざまくらでも…という話、これ読んで冗談じゃないよ、と思いました。冴えない男の妄想としか言いようのない甘く都合よく虫のいい話で、ちょっと距離を置きながら読み進める。そのうち次第に、朴訥な旦那と女中ヤイさんの微妙な関係が、ワクワクさせてくれるようになるのだが…。漫画ですなあ。絵にかいたような漫画だ。それが悪いとは言わないし、これが好きな人がいてもいいし、私も最終的には愉しく読んだけれど、物語も絵柄も見せ方もあまりにも想像の範囲内で完結している感じがして、それが惜しいというか勿体ないというか。面白いんだけどね。続きも読みますけどね。