眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

上海ブルース

気が滅入る情報しか報道されない中では、こういう素朴で愉しい映画のことを思い出すことが心の救いだ。ツイ・ハークの代表作のひとつ。すれ違いメロドラマをベースにしながらなかなかそうはならず、果てしなくコメディとして描かれていく。笑いの中に切ない心情も語られ、夢も語られ…。

ケニー・ビーの弾くバイオリンは、戦争後の荒れた香港と人々を、ロマンティックなメロディで優しく包み込む。涙滲む名シーン。また最後まで「踏み台」としか呼ばれないサリー・イップが素晴らしく、少女から大人へと変わるラストシーンのカッコよさ。痺れた。

今は亡き梅田のシネマヴェリテのレイトショーで見たなあ。