眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

コリン LOVE OF THE DEAD


第七藝術劇場にて。本日(4/16)初日。その初回。観客は男一人率高し。ゾンビ肉ジャーキー頂きました。

ゾンビに噛まれて死亡、その後復活した青年コリンが街をさまよう様を、カメラはずっと追いかける。ドキュメンタリー風の劇映画。ただ主人公がゾンビなので、何も喋らないし、何を考えているのかも判らないため、台詞は極端に少ない。生き延びている人間たちもドラマを回転させる役割は与えられず、この状況下にそこにいるだけの存在である。コリンとの接触も、大勢のゾンビのうちの一人でしかなく(そうでない人もいるが)、よってそこにドラマは生まれず、客観的描写だけで映画は展開していく。周囲の状況は喧しくとも、コリンの存在があってなきが如きものゆえに、心理的静寂は深く、決して救われることはない。その一種のドライさが生む哀しみが映画の眼目であるのだが、そういう部分を面白いと思えるかどうかが、評価の分かれ目だろう。

しかし97分という上映時間は少々長く、中盤の、コリンと直接関係のない「一軒家での殺戮」や、「女性を監禁していた変態オヤジ」の部分は必要なのかどうか。あそこはいらないんじゃないのかな。もうちょっとコンパクトにまとめてほしい。あと低予算は全然誇れることではないので(誇ってないだろうが)、せめて照明はちゃんとあてて。暗い場面が多くて目が疲れた。

さまよったあげく、コリンがどこへ行くのか、それは見てのお楽しみだ。