眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

ギルティ・コンサイエンス


刑事コロンボ』で名を知られたリチャード・レヴィンソンとウィリアム・リンクのコンビの脚本によるドラマ。監督はデヴィッド・グリーンでこのトリオでは『刑事マッカロイ 殺しのリハーサル』があり、あれは実際に観てみれば、ミステリファンの間でずっと話題になり続けていたことが納得できる逸品だった。当然それと似た期待をするわけだが、はたと膝を打つといった面白さはないものの、しかしこれもまたミステリファンが喜ぶ出来栄えだ。



アンソニー・ホプキンス演じる弁護士が妻を殺そうと画策。あれこれ考えるとそこにもう一人の自分が現れてその方法でうまくいくかな?と法廷で追いつめられるようにディスカッションが展開する。そのうち妻の物語も描かれだして、回想と想像が重なるようになり…。こうして殺そう、いやそれではどうかな、ならこうだ、というやりとりが面白く、特に後半で夫と妻の間での攻防が展開するあたり、攻守が入れ替わるところにも同じ趣向があってこれが愉しい。少々まのぬけたやりとりになるあたりも笑いがあって可笑しい。がそのまぬけさはラストで効いてくるからそこは計算なのだろう。

『殺しのリハーサル』レベルのものを期待すると物足りないかもしれないがこれはこれで面白かった。DVDの画質は例によって酷いものだが、『殺しのリハーサル』よりはまし。