眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

R-中学生(1)/ゴトウユキコ(講談社)


帯には『中学生のリビドーをナメてかかるな!!!!』とあるのだが、別にナメる人はいないだろう、皆が同じような道を通過してきているんだから…と思って読み始めたしょっぱな『赫色少年の素晴らしき日々』(第60回ちばてつや賞大賞受賞作)でやられた。女子の汚物の臭いを嗅ぐと性的興奮を覚える少年!女子トイレに忍び込んで三角コーナーから物色する姿よ!と書くと物凄くヒリヒリとした青春暗黒もののように思えるがそうではなく基本はコメディなのが救い(…よかった)。しかもちゃんと笑える。酷い話なんだけど下品になっていないところがとても良い。あとの話も男女問わず色々な性的な葛藤というか思春期・第二次性徴にありがちな悩みを笑いにくるみながらも、実は結構根っこの部分では中学生の少年少女たちの気持ちをちゃんと汲み取っているために意外に心の片隅を少し刺激する。一瞬のフラッシュバックのように中学生の頃を思い出したりして。「あっこんな感じあった」と。第6話の『ハニーデイサービス』の感じからすると以降は普通のちょっと度が過ぎる青春コメディのようになるのかもしれないが、それならそれでまた愉しみでもある。これは良い漫画を見つけた。『ウシハル』も読みたくなったなあ。