眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

フォロー・ミー 感想

監督はキャロル・リード

非常にピュアな物語であり、どこかファンタジー的な雰囲気もある。それは特に得体のしれない探偵、トポルによるところが大きいが、ミア・ファローと言葉を交わすことなく過ごす10日間の描写のなんという喜びと温かさ。マイケル・ジェイストンが一方的に悪人とはならず、彼の良さもきちんとフォローされるのもいい。誰かのことを悪い、と決めつけることはなく、優しさあふれるラストへと結ばれる展開と、その一方で夫婦関係においては微妙な緊張感をはらませる描写とが良い塩梅で、ゆるゆるに甘い映画になっていないのも素晴らしい。まあゆるゆるでもいいんですが。皆、大人なんだけれども、あまりと言えばあまりな純粋さが微笑ましくもあって、だからこそ、もっと若い頃に見たかったなと思う。良い映画だった。見られて良かったよ。

ジョン・バリーの残した名曲のひとつ。