眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

「華物語」 感想

華物語』(講談社)を読む。

原案・槙佑子、画・埜納タオによるコミック。好きだった先輩が元カノとよりを戻したことでショックを受けた沙和。気落ちしていたとき、ひょんなことから生け花教室の体験コースに参加したことで、少しづつ人生に変化が訪れてくる…。ごくごく普通のOLである主人公と、彼女の周囲の人々の物語が、生け花を絡めて描かれる。仕事や恋愛で悩み疲れた女性たちの物語でもあり、沙和と中心とした女性たちの人生ドラマ。子供に恵まれない義理の姉、頑張り過ぎて浮いてしまっている新人社員、子供の受験で何かと忙しい生け花教室の生徒さん…と書くと重く暗いものを想像するかもしれないが、良い意味で軽いタッチの内容なので後味もさわやか。前向きな気持ちに満たされた軽快な作品。勿論、多少は生け花への興味も湧いたりする。このコンビは後に、本作をさらに発展させた『百花日和(全3巻)』を描いており、そちらも好編。とりあえず、嫁にも強制的に読ませます。知らなかったけど、うちの嫁は高校時代は華道部だったらしいから。