眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

6月1日(金)の日記


サニー 永遠の仲間たち』 於:シネマート心斎橋

監督はカン・ヒョンチョル。2011年の韓国映画

観客のほぼ9割以上が女性、というアウェイ感満点の中で鑑賞。映画自体も、現代と80年代の韓国を舞台に女性たちの人生が描かれる内容なので、ざっくり括れば”女性映画”と言ってもいいと思うのだが、となると男連中的には無関係の映画かと思いきや、決してそんなことはない。40過ぎた主役たちと同じような年齢のおっさんでも、爆笑させられ、しんみりさせられる、同じように生きている人々の人生模様に色んな事を思わせれる、想像していた以上にしっかりと地に足のついた映画だった。

何よりも、娯楽映画として面白く作られているのが素晴らしい。笑いに関しては、少しやり過ぎじゃないの?と思ってしまうほど極端な描写があったりして、こちらの想像をはるかにこえていた。大体、娘がいじめられていると知った母親がいじめっこたちに報復するってそんなのありか、と。しかも制服着て突撃してるし。学生時代の話は、ノスタルジー風味満点の甘酸っぱさと、若さゆえのバカさが良い感じで(反政府運動の人々と軍隊が激突する後ろで敵対するチーム同士の喧嘩が展開するシークエンス!ハ・チュナ(演:カン・ソラ)のカッコよさはどうだ!)描かれていて青春ものとしての楽しさがあり、現代の部分にはやはり20年以上の時を隔てただけの苦さや虚しさが描かれているが、どちらか一方だけを良しとしたり、悪としたりはしないのは見事なバランス感覚だ。

女性7人のキャラクターをちゃんと立てているのが立派で、捨てキャラなしの凄技が光る。さらに脇役にもちゃんと印象的な役割を振り分けてあり、たとえばシンナー吸ったために仲間を外された少女は、その後の人生どうなったのかな、と描かれていないことすらも想像させてしまう。ラストは少々都合が良過ぎる感はなくもないけれど、それもまた良し。見ていて気持ちの良い後味。これは素直によい映画だった。

ここでそれか!と思わず気持ちが昂揚したのが、リチャード・サンダーソンの『愛のファンタジー』。

ラ・ブーム』そしてソフィー・マルソー直撃世代なもので、これはぐっと来た。