「ワルタハンガ〜夜刀神島蛇神伝〜」全3巻 3月31日(日)の日記
『ワルタハンガ〜夜刀神島蛇神伝〜』全3巻(藤澤勇希/秋田書店)を読む。
テレビ番組制作会社の企画で、ツチノコ捕獲ツアーに参加した酔狂な人たち。主催者だけが知っている謎の孤島で、帰りの船は10日後にしかやってこない。軽い気持ちで参加したツアー客もいる中で、ツチノコ以上の恐るべき事態が彼らを待ち受けていた…。
色々検索している中で引っかかり、気になって読んでみたが、これは面白かった。話しが始まるとツチノコどころの話ではない。序盤こそツチノコぽいのが出てくるが、やがて独自の進化形態を遂げた生物が続々登場、人間が次々と食われていく!登場人物が多い分、あっちこっちでそれぞれのドラマが展開していき、終盤には意外な展開になっていく。もっと怪獣もので押し切って欲しかった気もするが、これはこれでサスペンスに富んでいてよかった。誰が死んでもおかしくないのでハラハラするわこういうの。話としては単純なのに、飽きさせずに読ませるなかなかの手練っぷり、ストーリーテラーとしての腕はかなりしっかりしている。シリアスな事態なのに微妙にギャグっぽい描写があるのも可笑しくて、そういうノリも愉しい。打ち切りにもかかわらずこの完成度。素晴らしい。他の作品も読みたくなる。
ワルタハンガ 夜刀神島蛇神伝 1 (プレイコミックシリーズ)
- 作者: 藤澤勇希
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2009/12/18
- メディア: コミック
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