眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

ジョセフ・サージェント監督が死去

ジョセフ・サージェント監督が亡くなったそうです。心臓病の合併症により。89歳。

フィルモグラフィを眺めると、意外と映画が少ない…。この名を聞くと、職人監督!と思うのだが、「地球爆破作戦」「白熱」「サブウェイ・パニック」…といった70年代の数本のサスペンス、アクション映画の印象が、如何に強烈だったか、ということなんでしょうな。

allcinemaによれば、最後の映画は「ジョーズ87/復讐篇」ということになっている。マイケル・ケインが「ハンナとその姉妹」でアカデミー賞助演男優賞を受賞した時、これの撮影で会場に来れなかった。苦笑がもれるような、場内の戸惑った感じ。その映画を撮っていたのがサージェントだ。今となっては、サージェントにとってもマイケルにとってももはや武勇伝に近い。そういえば「復讐篇」はラストシーンが2パターンあるんですってね。

上の方がオリジナルで、昔テレビでみたときはこっちだった。今は下の方が正式エンディングになっているのだろうか。マリオ・ヴァン・ピーブルズが現場では人気者で、死なせるのは不憫だったため、死なないように変えた、とは聞いたことがあるようなないような…。にしても、鮫を退治する場面はどうして変えたのだろうね。サージェントは、プロデューサーもやっているから、間違いなく、彼の判断なのだろう。

最近のテレビムービーは全く見ていなくて、他に印象に残っているのも、昔のTVムービーで「アメリカを震撼させた夜」。これは面白かった。オーソン・ウェルズのラジオドラマに踊らされた人々の群像劇で、次第にパニックが拡大し、殺されるくらいなら自ら命を断った方が…という人まで出て来て、はらはらさせられたことを覚えている。youtubeなら全部みられる。勿論、字幕はないが。

それと「デビルゾーン」も忘れられない作品。

4話からなるホラーオムニバス。「サンシャイン」に出ていたクリスティナ・レインズも出演。スプラッター描写はなかったけれど、結構面白かったはず。この2作、どちらももうずいぶん前にみたきり。今みるとどんなものなのかなあ。どちらもDVDになってないようだ。

あと「ゴールデン・ガール」というのもあった。日本未公開に終わったがスーザン・アントンが主演だったので、当時のスクリーン誌(たぶんロードショー誌でも)では取り上げられることがたびたびあったと記憶する。結局みれてないんだけど、これは製作がエリオット・カストナーなんですよね。気になるなあ。

映画の製作からは離れても、TVムービーの監督はずっと続けておられたようで、 「多重人格・シビルの記憶」という作品が2007年。80過ぎてもまだ撮ってたわけで、ある意味、幸せだったんじゃないかなあ。折にふれては、「地球爆破作戦」や「白熱」や「サブウェイ・パニック」を思い出し、再見するように心がけたいものだ。ドン・シーゲルやリチャード・C・サラフィアンやバズ・キューリックやトム・グライスや…その他の多くの70年代アクション映画監督ともども、心の殿堂入りだ。ジョセフ・サージェントという名を、決して忘れないように。