眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

『恋のヒメヒメぺったんこ』 by 田村ゆかり

今年も毎日更新を目標としたいところながら、どうにもきちんとしたものを書く気力も体力もないようで(元々そんな文章書いてないじゃないか、という突っ込みはなしで)、というのも日々流れてゆく情報に対するアンテナが折れてしまっているからである。修理する気にもなれないので放置中。どんどんネタが切れていくのだが、そうすると何も書けなくなるので、今年からは、本当にどうでもいい日記みたいなブログにしようと。とはいえ、ここを始めたころは、そんな内容だったので、まる5年になる前に原点回帰、ということである。まあ一日のPVが100にもならないようなブログのことに興味がある人もいないと思うので、どうでもいいことであるが。

弱虫ペダル」は、コミックを16巻くらいまでは愉しみに買っていたのだが、一回買い逃してしまったら、そこから続かなくなってしまった。渡辺航は「電車男」で知って気に入り、「制服ぬいだら」「花咲探偵事務所」「まじもじるるも」と、後追いと新刊を、交互に読んできた。今はもう「るるも」もさぼってしまって、アニメの方も途中で挫折してしまったが。「弱虫ペダル」の方は、ご存じのように現在もアニメは二期に入って好調だし、声優さんたちのキャラクターソングやらイベントやらもあり、若手俳優さんたちによる舞台も好評のようで、なんとも喜ばしい。編集部の都合や単行本の売り上げ不振で、連載打ち切りの憂き目にあったこと数度の過去からすると、本当に良かったですね、と言いたいところである。

恋のヒメヒメぺったんこ」は、「弱虫ペダル」の主人公であるアニメオタク、小野田くんの大好きなアニメの主題歌だが、オタクでないと少々きついものである。実際、仲間の今泉くんの最初の反応はそういうものだったし。ところがこの歌は、インターハイ2日目で脱落した3年生の田所を、小野田が引っ張るところで、田所に思わぬ力を与えるという効果をもたらす。小野田がアニメオタクであることは、これ以降要素としては薄まっていくのだが、彼がオタクであることの必然性が、極限に達する名場面だったのではないか、と思っている。オタクのバカさが、人を引き付け引っ張っていく。このバカバカしさと痛快さ。そしてかっこよさ。マジ泣きするほどに素晴らしい。

歌そのものは、原作にも出てくるのだが、まさかそれがこんな曲になるなんてなー、という驚きと愉しさもあった。気分が滅入るときには、これを聴いて、明るくさせています。如何にもなアニメソングなのに、今となっては、負けるかあ!という気持ちにさせる、稀有な歌になりました。しかし世間に対して、おおっぴらには言いにくいけれども。

弱虫ペダル」も、アニメオタク少年が主人公のなよなよしたものだろ?と思っている人が、もしかしたらいるかもしれないが、いやそんなものではない、と言っておきたい。といいますか、渡辺航の描く男の子は、重度のオタクや女好きであっても、皆、芯は強い。直面する危機や問題に、彼らは全力で立ち向かい、あきらめない。軟弱さとまっすぐさの、両方のバランスがいいんですよ。笑って読んでいると、熱いものが顔を出す。少年漫画の王道。だからこんなに人気になったんじゃないかな。