眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

岩井俊二のMOVIEラボ

1回目「SF」、2回目「特撮」の回をみた。ゲストは、樋口真嗣庵野秀明
もっと実践的な、映画制作についての番組と思っていた。岩井俊二による、学生に向けての、映画の作り方だと思っていたのだが、そうではなくて、ゲストを招いて、テーマとなっているジャンルの話を聞く…というような内容だった。もちろん、それはそれで、面白い話しも聞けないわけではないが、それなら少々、物足りないな…と思わざるを得ない。
でも、ゴジラキングコングが、着ぐるみとモデルアニメという手法になっているのは、怪獣が何をするのか、というところから判断されたものだ、という樋口真嗣さんの発言は、さすがに見ている所が違うなあ、と思いました。ゴジラはビルを破壊するけれど、コングは歩いて、登る。それぞれの行動を表現するにはどうすればよいか、ということからの帰結だとする論ですね。庵野さんは「経済的な理由だけでしょ」と、一言だったけれど。勿論、それもある。むしろ、それだけだと思っていたけれど、言われてみればなるほどそういう考え方もあるのだな、と目を開かされたような気がしましたな。
岩井さんは、自分の作るものが、特撮はともかく、SFからも遠いように思っている節があったけれど、いや、監督こそしてないけれど、「なぞの転校生」作ったじゃん、と。あれはSFとは思ってないのかなあ。岩井作品には、普通のドラマであっても、夢のような、ファンタジーのような匂いが濃厚なので、意外な感じがしたな。てっきりSFの側に、体が半身くらい入っていると思っていた。
それにしても、レギュラー講師となっている岸野雄一さんと、樋口尚文さんは、ほとんど話されなくて、実に勿体ない。岸野さんには、映画における音楽のありかた、尚文さんには制作はもとより、批評、評論からの映画へのアプローチなど、色々と興味深い話が聞けるはずなのに!
次回は「ラブストーリー」。ゲストに行定勲。そして蒼井優鈴木杏とな。「花とアリス」だなあ。たのしみにしていよう。