眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

相棒13 第15話 「鮎川教授最後の授業」

かつての恩師の古希の祝いにやってきた右京。そこには既に5人の教え子が集まっており、その中に社課長(演:仲間由紀恵)もいた。食事の席で、「どうして人を殺してはいけないのだろう?」と質問した教授の言葉のあと、睡魔に襲われていく面々。気がつけば地下に監禁され、教授は、人を殺してはいけない理由についての回答を求める。座興というには度を過ぎているが、回答の回収にドアがあいた先では、教授が猟銃を構えて待っていた…!
猟友会に協力して熊を撃ち殺し、どうしても人を殺してみたくなった…と、思わぬことを口走る鮎川教授(演:清水綋治)。彼の世話をしている家政婦(演・石野真子)は、彼は本気だ、という。さらに教授は、このなかの一人を殺す、誰を選んでくれてもかまわないよ、ともいう。
右京が監禁されている、という段階では、緊迫するのはカイトくんと米沢だけで、中園参事官の対応はけんもほろろ、捜査一課の伊丹たちもまるで話しに乗って来ない。このあと社もいなくなった、という段階で上も動き出すが、つまり警視庁に取って必要ではない存在である、杉下右京が監禁されたくらいでは、動きませんよ、ということなのか!
鮎川教授は、人を殺してみたくなったが、今は理性でそれを抑えている。殺してはいけない理由を教えてくれ、納得出来る答えがないと人を殺してしまう、というが、右京はそうではない、とみる。「殺してはいけない理由などない、ということを確認しようとしている」と。理由がなければ、人を殺していいのだ、という逆説のような詭弁のような論理で彼は人を殺そうとしている。
実はこの話し、前後編の前編である。後編で、教授の真の思いが明かされるかもしれず、そうなればまた違う展開になるのだろうが…。脚本(輿水泰弘)がいつ書かれたのかは知らないが、これは…。いや、考え過ぎなら、それでもいい。むしろそうであってほしい。だが、不要な存在のためには動きませんとする警察上層部、人を殺したいという人間、(おそらく)殺してはいけない理由の、法律的、倫理的問題を取っ払えば、それが出来るとする思考、タイムリミット…。なんということだ。これは暗に、あれを、そしてあの人物を指しているのではないか…。
ということにショックを受けてしまって、カイトくんと悦子の身に起きたことや、右京と社の安定感ありすぎのコンビぶりなども、すっ飛んでしまった。次回がどうなるのか大変楽しみである。