眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

レンタ・コップ ★★★

監督 ジェリー・ロンドン/1987/アメリ

麻薬の取引に警察がおとり捜査で潜入。逮捕まであと一歩で、黒ずくめの男の襲撃を受け、刑事のバート・レイノルズを残して全滅。男は麻薬も現金も奪い去る。運悪くホテルに仕事で来ていた娼婦のライザ・ミネリは、犯人の顔を目撃したために執拗に命を狙われ、上司に盾突いてクビになったバートに自分を守ってくれと頼み込む。

夜のシカゴの街並みを空撮でとらえる、ハードボイルド映画として正しいオープニングも嬉しい、ジェリー・ロンドン監督の小品。何も目新しい所はない一方で、何とも手堅い内容。段取りを踏まえた正攻法の展開に、心洗われるような思いがする。最初は喧嘩ばかりの元刑事と元娼婦が、次第に心を通わせていく定番中の定番の物語だが、バート・レイノルズライザ・ミネリとなると、中途半端な俳優には醸し出せないスターの輝きがある。貫禄と余裕で悠々と演じているふたりを見ているだけで、今となっては幸福。ライザの親友役でディオンヌ・ワーウィックがゲスト出演、新人刑事役にはロビー・ベンソンが、そしてダンサーと呼ばれる殺し屋(元警官)でジェームズ・レマーが出ているのも嬉しいところ。ジェリー・ゴールドスミスの音楽も快聴。