眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

イコライザー ★★★

監督 アントワン・フークア/2014/米

マッコールはホームセンターの従業員。深夜のダイナーで知り合ったアリーナは、売春組織に食い物にされていた。彼女が客に逆らった見せしめに半殺しの目に合わされたのを知ったマッコールは、単身組織に突撃する。

内面をズバリと読み解くアリーナに、マッコールが動揺する場面などなかなか良いのだが、彼女は退院したあとに映画からは姿を消してしまう(ラストで戻ってくる)。売春婦の少女とひっそり生きている男の物語とはならず、中盤以降はマッコールの世直し仕事と、後始末に派遣された元スペツナズの男の対決になっていく。エピソードが連続するような構成になっているのは、元がテレビシリーズであることを踏まえたせいか。また後半では、タンカーを爆破したり、ホームセンターで売り物を殺しの道具に使ったり、最後はモスクワまで行って決着をつけたりと荒唐無稽感が強くなる。ハードボイルドにもノワールにもならない、コミック的な過剰さに滑稽さが拭い切れず。アップも多め、今風な撮り方もソツがなく手慣れた演出は悪くないが、作る度に内容が軽くなっていくのは、そういう映画しかオファーがないからか、方向性なのか。アントワン・フークアの今後が気になる。