眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

1月25日(火)

池田敏春の作品もそんなに見ていない。『天使のはらわた 赤い陰画』の、冴えない人生であがく村木と名美に感情移入しまくり。傘を差し出す村木の姿に心震えた。『人魚伝説』では原子力発電所にたった一人で突撃する海女を、延々後ろから追いかけ続ける執念のワンカット(だったような気がする)の凄まじさに燃えた。

他にも『死霊の罠』や『MISTY』も印象深い。『鍵』も見に行ったなあ。部屋の中に雨が降るところで、相変わらずだなあ、と苦笑しつつも、興奮したものだ。あと誰も覚えていないだろうが、テレビ東京でやっていた『極める』という、お寺や仏像などを紹介するドキュメント番組があって、これの監督もやっておられた。『くれないものがたり』のときは、この番組でやっていることが生きている、とかつてキネ旬のインタビューで語っていた。現在進行形で、ずっと作品を追いかけていたのか、と言われたら確かに口籠ってしまうものの、それでもあんな傑作を残した監督が、自殺という形でこの世を去ってしまった、というのは、なんとも胸が痛いのだ。心よりご冥福をお祈りいたします。

石井隆脚本による『夜に頬よせ 過去を抱いた女』を見る術はないのだろうか。追悼で放送…なんてことはないだろうなあ。