眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

1月27日(木)

昨晩の『相棒』は、シリーズ歴代1位の視聴率だったそうで、おめでたいことです。とりたてて大事件が起こる話でもないのに、昨日は皆、『相棒』を見たい気分だったんでしょうかね。裏番組に、これ、というものがなかったということなのか。太田愛の脚本は例によって、殺伐とした事件の中で懸命に生きる人間の姿を描き、悲しくそして優しい。生活保護を巡る物語だが、世の中の理不尽な部分はそれほどクローズアップはされず、ゲスト主人公である溝口琢矢が隠していることとは一体何か、ということで展開する。妹との生活を護らんとする兄の必死の思いが切ない。神戸がこの少年に対して熱い感情を見せ、ケースワーカーの人や、少年の伯母も良い人だったりすることで、真相の痛ましさを越えて、捨てたものではない人のつながりに胸を熱くする。また、別々の話が実は一つにまとまる、というパターンは今までも色々あったが、今回はそれが「なるほど」という意外性をはらんで結びつき、ミステリとしてもなかなか面白かった。ところで、溝口琢矢も、平成ライダーの人。これもまた、テレビ朝日東映の縁ゆえの出演なんだろうなあ。といったところで、『ホンボシ』を見逃したことに気付くのであった…無念。