眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

2月12日(土)

シネリーブル梅田で『冷たい熱帯魚』を見る。死体を処理する山小屋みたいなところ、教会風であり、妙な電球が飾りつけられている様を見て、『悪魔の沼』とか『悪魔のいけにえ2』とかを思い出し、実録風猟奇殺人事件ものというよりも、ホラー映画だな、という割り切り方がこっちに生まれてしまい、普通の娯楽映画にしか見えなくなってしまった。トビー・フーパーを意識したところは、もしかしたら園子温にはあったんじゃなかろうか。でんでんの暴力性は、現実にああいう人がいるというリアルさを感じながらも、事態が進むうちに怪物性が次第に強くなり、ホラー映画というくくりの中ではありがちな存在になってしまうので、恐怖よりも滑稽な感じになる。恐怖と笑いが混じり合うタイミングなどなかなか面白いのだが、もっと打ちのめされるような殺伐としたものを期待していたので、死体処理の場面に笑いをまぶすような作り方では、とても物足りない。瀬々敬久サトウトシキをもっとえげつなくした映画を想像したこっちが悪いのかもしれないが。映画に対する夢がある、というと語弊があろうが、話が面白く出来すぎているという不満、とでもいうか。娯楽映画として面白く出来過ぎている。立派過ぎる。という妙な興奮と失望を同時に味わった。


イップ・マン 序章』の公開が正式決定。
http://shinjuku.musashino-k.jp/