眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

2月26日(土)

シネマート心斎橋で本日初日の『MAD探偵 7人の容疑者』。デジタル(たぶんDVDってことだろう)上映と判ってはいたが、実際に始まるとぼんやりした画面には、やはり複雑な思いを抱く。フィルム1本を焼くだけのお金も出せなかったのか配給会社(彩プロ)。残念だなあ。と思いながら見始めたが、内面の人格が画面上に出て来たあたりで、グッと引き込まれてしまい、画質のことを気にするのも忘れて、あっという間に終わってしまった。

以下多少ネタばれ
7人の人格が口笛吹きながら歩いて行くところとか、ラム・カートンの本来の人格らしい人が、森から出られずさまよっていたという展開とか、」あんなシーン考え付くのは、天才か異常者かどっちかだろう。またラウ・チンワンと妻の関係が良いんだよな。二人でバイクに乗るシーンのなんという切なさ。全体のダークなトーン、事件が複雑に絡み合っていく過程、クライマックスの鏡の中の銃撃戦と、『ロンゲストナイト 暗花』を思い出した。あそこまでひねった話ではないけれど、衝撃度数は肉薄、いや匹敵するほど凄まじい。なんとも凄い映画があるものである。驚いた。


ブックオフで、菅浩江『永遠の森』、藤原審爾『狼よ、はなやかに翔べ』を買う。


今日のお気に入り映画音楽はこれ。

言わずと知れた『ロッキー2』、作曲はビル・コンティ。クライマックスを盛り上げる燃える一曲。思わず拳を握って、「行け!ロッキー!」と、ジョー・スピネルの気持ちになって叫びたくなります。


NHK総合では本日スタートの『TAROの塔』。面白かった。松尾スズキ快演!怪演とは言いたくない。岡本太郎の幼少時代と万博時代を交互に描いていたが、この構成は、単に実録ものにしたくないという制作側の企てだろうか。寺島しのぶは、ちょっといかれた感じの役が定番になってきましたな。いい年して少女のような行動と振舞に哀れさが滲む。冷静過ぎて恐ろしさすら感じさせる田辺誠一との夫婦関係の異常さも素敵。照明と撮影の凝りようも素晴らしい。久々に次回も絶対見ようと思うドラマだ。