眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

『ヒコボシ ふくやまけいこ作品集』(ジャイブ)


『オリヒメ』に続く第2弾。今回は『ふくやま童話』を中心に、今まで単行本化されなかった短編も収めたお得な内容になっている。可愛らしくて、少し切なかったりして、どの作品も淡い色合いに染められたような、柔らかでぬくもりを感じさせるお話ばかり。嬉しくなる。特にお気に入りは『変身』かな。あと、一話ごとのあとがきコメントにつけられた、百合な雰囲気も漂わせる女の子二人の挿絵も良いんだよ。今月は『メルモちゃん』も既に出ているが、ふくやままつり開催中、てな感じ。




聯愁殺』(西澤保彦/原書房)を読む。すまん、ダメだった。語り手であり、無差別連続殺人事件の生き残りである女性の一礼比梢絵のことがどうも好きになれず、文体にも乗れず、事件について推理する恋謎会の面々の繰り広げる推理合戦にまるで乗れず。いくら推理するための会とはいえ、あまりにも想像力が逞し過ぎて、感心するより先にバカバカしく感じられてしまう。なので、事件の真相に至るまでの大部分が退屈でならず、イライラして読んだあげくの結末には、なるほどと思いながらも、それ以上の感慨は持てず、結論としては撃沈、という感じ。西澤保彦には悪いけれど、たぶんもう読まない。