眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

もう一度見たい映画 その2

血に飢えた白い砂浜

3分もあるこの予告を見ていて思うのは、つまんない映画は予告もつまらん、ということであろうか。ゴールデン洋画劇場の未公開パニック傑作選だかで見た記憶があり、そのあともう一回くらいはローカル放送の深夜枠辺りで見たはずだが、ほとんど覚えていない。サスペンスが盛り上がらず怪物もなかなか出て来ない、要するに凡庸な映画だったのだろうとは思う。にもかかわらずこうしていつまでも印象に残っているのは、普通のサスペンス映画ではない、怪物が悪さをしているというお楽しみ感があり、それなりのいかがわしさとそんなものを見るうしろめたさがあったためだろう。中学生の夏休みの夜の娯楽としてふさわしかったということだ。生ぬるいがゆえに懐かしく、冷房の効いた部屋で冷たいものでも飲みながら、半分寝ながら見たい、と思ってしまう。

怪物は最後の最後でちょろっとだけしか姿を見せず、しかし短いがゆえにぎょっとさせられたものだ。まだビデオデッキも持ってなかったころなので一瞬だけの怪物の登場は、目撃する、ということに似た衝撃性と希少性があって、それはそれで価値があった。