眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

ファミリーペットSUNちゃん(2)/岡崎二郎(小学館)


全2巻で終わっているのが残念でならない。岡崎二郎作品は、長編のようにみえても実は連作だったりして、おそらく全てが短編なのではないかと思うのだが、作品をまとめるために狂言回し的なキャラクターが必要になったりもするがその中でもこのサンちゃんほど魅力的なものはないのではないかと思う。御年100歳になるというオオサンショウウオのサンちゃんは酒をくらい煙草を吸い口も悪いが、人情味にあふれた良い漢なのである。絶滅危惧種の動物や失われていく環境や世界など、100年生きているサンちゃんゆえ、流れゆく時間をテーマにまとめられ、同時にそれはSFならではの面白さを感じさせるものになっているのが、如何にも岡崎二郎、という感じ。続編を描いてくれないものかな。