眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

デート&ナイト 感想

監督はショーン・レヴィ。劇場未公開作品。

〈あらすじ〉スティーヴ・カレルティナ・フェイは、倦怠期を迎えた中年夫婦。いつもよりもちょっと上のディナーを、と気張って出かけたお店でトラブルに巻き込まれ、深夜のニューヨークで逃げ回り、時には立ち向かい、最後は敵を罠にはめて、と平凡な夫婦とは思えない大活躍をする!

楽しいコメディ映画。主演の二人の息のあったコンビぶりが何よりも素晴らしい。と同時に(コメディ的な誇張はあれど)倦怠期の夫婦の日常の不満といら立ちをきちんと描いているのも定番ではあっても外せない部分で、観客の日常と地続きになっているのも、この作品がアメリカでは大ヒットした、ということと決して無関係ではないんだろうなと思う。

88分というコンパクトな時間の中に適度に(含:下品な)笑いを散りばめ、想像していない派手なアクションシーンも織り交ぜて、ニヤニヤさせてくれる、そんな面白さ。ただ、主役二人のパーソナリティに乗っかって展開する要素が大きいので、たとえば、ティナが机やロッカーの抽斗にぶつかって怒るとか、謎の元軍人マーク・ウォールバーグの扱いとか、スティーヴとティナがカップルの会話を想像して適当なことを言い合うとか、もっと面白く転がりそうなネタをその場だけで終わらせているのが勿体ない。特にマークと会う場面の微妙な三角関係がとても可笑しくて、スティーヴの放つ絶妙の間加減も素晴らしいだけに、その辺がちょっと残念(脚本はジョシュ・クラウスナー)。中途半端に豪華な脇役陣も嬉しい憎めない映画。