12月18日(火)の日記
『しあわせ節電』(鈴木孝夫/文藝春秋)を読む。
単に節約、節電についての話ではなく、もっと切実に、地球環境のために無駄を無くそう、という訴え。著者はこの中で『地救原理』という生き方を提示しており、読まずとも文字だけで何を言わんとするかはあきらかな考えた方である。それを大上段にかまえて声も高らかにアピールするというわけではなく、自分たちの出来ることから、という姿勢。読み物としても堅苦しさはなく、さらさらと読めるのがうれしい。しかしこれまでの人生の節約行動を、貴族の楽しみ、と言えるのはなかなかどうして。仕事ではなく、金儲けでもなく、自分の中だけでのルールとハードルを作って、それを越えることを楽しむ…。これは志としてはスケールが大きいですよね。飄々としているけれど意外と骨っぽい。個人的には非常に納得出来るし、憧れるものである。なかなかここまでは行けないねえ。
震災の直後に出版されているのだが、このときには脱原発、という目標にはもっと力があり、現実味を帯びていたが、今やもうそれが崩れ去ろうとしている。今回の選挙の結果を見るに、そうとしか言いようがないだろう。もっと色んなことに対して、謙虚になった方がいいと思うんですけどね、わたしは。
- 作者: 鈴木孝夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/06
- メディア: 単行本
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