眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

「カラマーゾフの兄弟」第1話 1月12日(土)の日記

カラマーゾフの兄弟』の第一回。

欲望がすべての男・吉田鋼太郎を父に持つ三人兄弟を演じるのは斎藤工市原隼人林遣都。判り易いカラーを持つ三人三様、キャストは適材適所な感じ。特にドラマ上では主役にあたるらしい市原隼人の苦悩をにじませた感じがよい。チャラい人生を送っている斎藤工も、立場的には一番弱い林遣都がおろおろする様子も、なかなかはまっている。遣都くんは『悪の経典』のときの子犬っぽさがそのまま。ゲイっぽさも漂う。『悪の経典』といえば彼ら三人を取り調べる刑事を滝藤賢一が演じている。嫌みったらしくねちっこく悪意すら感じさせる表情は、先日の『相棒 元日スペシャル』でも鈍い光を放っていたが今回も同様で、これも愉しみのひとつになりそう。横暴すぎる吉田鋼太郎の豪快な不愉快さも迫力。でもこういう役は演じていて楽しいのではないかと想像。

全体の画面のトーンはカラフルな色合いは抑えられていて、黒味が強調されている。また、シャープな、輪郭がはっきりしたとらえ方がされている印象で、冷たく突き通すような映像は、内容をかなり考慮したものだろう。テレビドラマとしてはあまりやらない試みのように思える。総じて第一回は面白かった。ドストエフスキーの小説のままとはいかず、どうしてもミステリー、あるいはサスペンス寄りの内容になるのだろうが、だとしても、今後の展開に期待させるには充分。