「世界の合言葉は水」 1月31日(木)の日記
『世界の合言葉は水』(安堂維子里/徳間書店)を読む。
すごくよかった。水をテーマにした作品集。人類=地球=水の関係が、これほどバリエーション豊かに描かれるとは。人類はどうして宇宙へ行こうとするのか、どうして男と女はひとつになろうとするのか、たったひとりで走り続ける孤独な存在と、共に走る理由と気持ち…などなど、どの作品にもはっとさせられる瞬間が待つが、一番驚き感動すらおぼえたのは『ぎゅう』。はー、パーソナルスペースのことをこんな風に考えているのかーと思っていると、想像力は遥か彼方へと飛んだ。よくこんなこと思いついたなあ。
全体を包む静けさや、透き通った空気を感じさせるところもいい。寂しさ、悲しみ、いとしさ、それらを想像力でひっくるむところが素晴らしい。その上でこの世界を愛するというところに、SF者らしいロマンを感じます。
- 作者: 安堂維子里(あんどういこり)
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2010/03/15
- メディア: コミック
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