眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をみる

監督はロバート・ゼメキス。1985年のアメリカ映画。

ブルーレイでみた。

1985年から30年前の1955年へタイムトラベル。1955年のことは自分の生まれる以前の遠い時代の話という感じで、ピンと来ていなかったけれど、これを現在に置き換えると2014年から1984年へ行く、ということになる。それを知った瞬間に、なんだか愕然とするものを覚えた。自分が高校生の頃、こんな身近な時代への旅だったのか、と。この奇妙な感慨深さ。想像していなかった感覚である。そうか自分の子供が、高校生の自分と会うんだもんなー。

29年前の映画ながらも、全く飽きさせない。さりげない描写が、大きな局面を迎えるための伏線になっていたり、世界の歴史(大げさ)に影響を及ぼしていた?というあたりの面白さは特筆もの。コメディ映画であり、青春映画であり、そしてサスペンス映画でもあり、それらが相互作用して太い幹を作ったような、高レベルの3本が一本になったような、そんな見応え。特にサスペンスに関しては、車でのジョージとビフのやりとり、パーティー会場内でのキス、クライマックス、と何段階にもその要素が仕込まれている。さらにそのあとにまだ続く。駄目押しのような、これでもか!という話の作り方の高揚感は、ただならぬものがある。USJのライドには何度も乗っていても、今となってはこのオリジナルを知らない子供たちも多いのではないのかと思われる。そんな子供たちがみても、2014年に作られる多くの最新娯楽映画と、おそらく遜色のない出来栄えなのは、本当に凄い。

俳優たちはみな若く溌剌としているが、いやそれをいうなら、ゼメキスとボブ・ゲイルは33歳、まだ終わっていない青春の、最後の頃にいたのだろう。その絶妙な境界の時代が、この作品を生んだのだろうと思う。

因みにテレビ版の吹き替えでみた。これが一番耳馴染みになっているなあ。