眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

『ロボコップ』をみる

監督はジョゼ・パジーリャ。2014年のアメリカ映画。

世界の各所で軍事ロボットが使用されている世界。オムニコープは、組織の襲撃で瀕死の刑事をロボコップとして再生し、アメリカへのロボット導入を目論む。

ブラックジョークとして機能していたオリジナルの皮肉な視線は薄れ、もっと本気の、未来社会を憂う内容になっている。中東をめぐるテロの問題とは切って離せない物語になるのは当然だし、軍事ロボットが導入された先では、巨大な権力によって何もかもが封殺され、支配される世界があるのではないかという危機感をかなり真面目に描き出しており、その姿勢は素晴らしいとは思う。が、真面目なメッセージ性と娯楽映画のバランスを取り損ねている感じがある。娯楽映画としては、明確な敵を設定せざるを得ないせいか、マイケル・キートンらが後半で急に悪役に仕立てられる感じになり、オムニコープが軍事産業だけの企業ではないことも忘れられ、そちらの方の可能性からうまれるであろうドラマを放棄しているのは、勿体なかった。ベイジル・ポールドゥリスのテーマ曲が流れるのも、あの程度ならばなんだかさびしくて、あまり嬉しい使い方ではなかったよ。

リメイク映画は本当に多いが、どうせなら続編にしてもらいたいものだ。同じ話を何度も見せられるのはもう飽きたよ。