眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

ウォーキング・デッド シーズン3 第12話

冒頭に出てくるヒッチハイカー。助けてくれと追いすがるが、無情にもリックたちは、彼を無視して走り去る。シーズン1に出て来たモーガンが再登場するが、息子を失って自暴自棄になっていた。一緒に来いというリックの誘いを拒絶し、(死者を)駆除する、と言い続ける。今の彼にとってはそれだけが、生きる縁なのであろう。死ぬために生きているようなものだが…。あんたのような善人は死ぬ。悪人も死ぬ。俺のような弱い人間が生き残るんだ…とモーガンは言う。街を去り、刑務所に戻る途中に、ヒッチハイカーらしい真新しい人間の残骸が散らばっている。リックたちは車を止め、ハイカーの残した荷物を持って行く。リックたちももはや、善人ではない。見知らぬ人間の存在には見て見ぬふりをする。それは非情なのではない。弱さなのである。モーガンの言うことが真実だとするなら、リックたちもまた生き延びることが出来るのかもしれない。そんな彼らの姿に、歌がかぶさる。神よ、導いてくれ。天国よ、扉を開けてくれ。我が家へ導いてくれ、我が家を示せ…。だが、神は、人を切り捨てて生きる人間を導いてくれるだろうか?我が家に辿り着けるだろうか?そしてその先にある我が家は、本当に人の住む家なのだろうか?
ミショーンとカールのやりとりがよかった。普段、無表情か仏頂面しかみせないミショーンが、心配そうにカールをみる視線がよかった。彼女の優しさが垣間見える場面で、人としての柔らかい部分に、ほっとさせられる。
あのヒッチハイカーは霊だ、という意見もあるんだな。でも彼に反応したのはリックだけじゃない。ミショーンがまず気付き、カールはふりかえってみている。何よりも、それだとヒッチハイカーの部分は、話しとしては、全然意味のないものになってしまう。面白いけど。