眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

古い「本の雑誌」をぱらぱらとめくっていて…

部屋の整理中。相変わらず、全然はかどっていない。というか、何もする気になれないのだが。そんな中で、「本の雑誌」が何冊か残っているのをみつけた。かなり前に、まとめて捨てたつもりだったが、とりあえず、と横に置いた状態で放置されたままだったものがあったようだ。ぱらぱらとながめて、気になった…というか、驚いたことがひとつ。手元にあったのは1991年5月号。実に23年前である。
この号の特集は「ギャンブル本は面白い!」で伊集院静も寄稿したりしているのだが、そのなかに読者がすすめるギャンブル本のコーナーがある。驚いたというのは、投稿者の年齢である。ざっと並べると、26、37、30、30、33、32、47、17、32、20歳の人たちが投稿している。ついでに読者コーナー(「三角窓口」ですな)の年齢をチェックすると、30、30、26、20、25、28、24、29、65、23、28、22、23、71、21、28、25、29、30、36歳、となる。ほぼ20代中心。振り返るに、当時、わたしも23くらいだったが、割と若い世代に集中しているな、という印象。本の雑誌は、本好きの人たちが読む雑誌ではあろうが、そのため年齢層は結構バラけていて、比較的高い年齢層の人たちがいたように思っていたのだが、そうでもない。
さらに驚いたのは、奥からみつけた2002年4月号。11年後ですね。同じく読者コーナーの年齢をみてみると、36、44、31、38、45、41、44、17、36、33、44、24、36、38、16、66、42、23、33歳…となる。明らかに、30、40代が多い。つまり、10年前に読んでいた人たちが、そのまま10年つきあっている、ということなのだろう。無論、編集部の人たちも年齢があがっているであろうことも考慮すれば、年齢高めの人の投稿が採用されやすいのかもしれないが。それにしても、見事に10年という差が表われていると思った。新しい層があまり入ってきていないのでは?今はどうなっているのだろう?
今は「本の雑誌」を買っていないので、比較のしようがないが、参考程度ということで、年末恒例の「本の雑誌増刊 おすすめ文庫王国」を取り出してみた。愉しみにして毎年購入しているが(今年も出るんでしょうね?)、これにも読者アンケートがあるので、みてみたところ(2014年版)、40、49、52、45、55、58、47、52、47、50、58、50歳…。さらに10年分加算されている!若い人がいない!…愕然としてしてしまった。短絡的に、若い人は本を読んでいないんだねえ、と結論づけるのは暴論であっても、少なくとも 「本の雑誌」に、若い層は入ってきていない、ということは出来るだろう。言ってみれば、わたしたちの子供世代が、そろそろ入ってきていてもおかしくはないはず。わたしたちの世代は、本が好きで読んでいた人たちですら、我が子に(次の世代に)本を読む楽しさを伝えきれなかったのではないか?という不安をおぼえますな。まあ、あくまでも本の雑誌の投稿者からみるに、ということですが。
だからといって、未来を憂う、とかそういうことがいいたいのではない。個人的には、新刊で本を買うことも減りましたし、古本ですら、めったに買わないですし、あまりえらそうなことは言えません。本はもうありあまるほどあるのだから、これ以上新しいものが出なくてもかまわないっちゃあ、かまわんのです。ただ、読書というのは、本当に寝るのも惜しみ、食事する時間も忘れて没頭出来る、それくらいの愉しさであることは間違いがなく、それが伝わっていないようなら、残念だなあ、と思うんです。本に代わるものが世の中にはたくさんあるので、本の役割は終わったと言われたらそれまでですが…。