眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

2014年 読んだコミックのメモ

今年刊行されたものではなく、今年読んだもの。ノートにつけていたメモより。
ラタキアの魔女」(笠辺哲・著/集英社) 柔らかい絵柄に似合わない、意地悪さと皮肉な視線に満ちている。が、それらを越えて、とぼけた味わいに収斂していくのがいい。気持ちのよい話ではないのに、妙に清々しいのが素晴らしい。特異な作風。もっと読みたい。
富士山さんは思春期(2)」(オジロマコト・著/双葉社) 台詞が少ない。1巻よりも顕著になっている。台詞や物語ではなく、その瞬間の風景、空気、感情を絵で見せていく。富士山さんの、頭を傾げたり、体を小さくしようとする仕草が可愛らしい。
のだめカンタービレ(24)」(二ノ宮知子・著/講談社) 未読だった24巻。番外編ということであまり読む気になれず放置したままであったが…。読んでみたら、これがやっぱり面白い。最終巻まで読まねば、気持ちがおさまらない。
ラッキー Are you LUCKY?」(村上かつら・著/小学館) 亡き母を思う気持ち、ラッキーを思い、ラッキーが祐太を思う気持ちに、ほろりとくる。主人公は小学5年生の祐太だが、親の立場から読んでしまう。親が子を思う気持ちなんて、所詮自分にとっては縁のない話にもかかわらず、どうしてこんなに悲しく、切なく、そして子供の成長に涙してしまうのだろう。性善説を前提として描かれた物語には、シンプルな強さがある。とてもいい作品。2008年刊行。手にしてから、6年間放置していたことを反省。
海獣の子供(1)(2)」(五十嵐大介・著/小学館) 1巻を読んだあと、しばらく放置。やっと2巻を読んだ。ミステリアスな展開とスケールの大きさ、独特の絵のタッチ。今更言わずもがなのことだが、本当に面白い。このあと失速するという噂も聞くが、いずれにせよ愉しみ。
第七女子会彷徨(3)(4)」(つばな・著/徳間書店) 発想と、想像力の素晴らしさ。どこからこういうことを思いつけるのか。素朴な絵柄のキュートさだけで読むと、予想外のものが出てくる愉しさ。
けずり武士(1)」(湯浅ヒトシ・著/双葉社) 「空拳少女」よりも前の作品だったとは知らなかった。前半の、ちょっとほのぼのとした感じが特によい。後半の話はもうグルメとはあまり関係なくなっているうえ(そういえば「耳かきお蝶」もそんな感じだったなあ)、シリアス過ぎる気もするが、それでも、それはそれでよい。
誘爆発作(1)」(岡村星・著/講談社) 二人の人間の心臓が、テレパシーで繋がっている、というワンアイディアものだけれども、それがうまい。双方が双方の心臓の影響を受ける。片方は年配の男で心臓疾患を抱えている。片方の若い女性は、変態殺人鬼の存在を身近にした危機をはらんでいる。面白いな。
狼の口(1)(2)」(久慈光久・著/角川書店) 情け無用の展開に圧倒される。しかもこれ、2巻までで、本格的には物語はまだ始まってないようだ。それも凄い。面白過ぎる。
これらの続きを読むのは、いつになるやらわからない。読めれば儲けもの。読めなくても、それはそれでよい。