眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

玉川区役所 OF THE DEAD 第12話 「玉川区役所 OF THE DEAD or ALIVE」

最終回。一命は取りとめたものの、ゾンビウィルスに感染してしまった凛。仲間を助けるためとはいえ、ゾンビを殺してしまった晋助。自分がよって立つ考えを、真っ向から否定する立場に追いやられてしまった二人。彼らは、自分たちの人生にどういう決断を下すのか。

町田管理官が語る、新種のゾンビウィルス蔓延の理由…。大変、他愛もないことだったが、しかしそれは大問題だろう。極秘に作られていたワクチンを接種したゾンビに新種が生まれ、それに感染した蠅だか蚊だかが外に出て、それに人が感染して…、という話、管理体制の不備は如何ともしがたい事実であり、晋助のゾンビ殺害は正当防衛かどうか、と同じくらい、いやもしかするとそれ以上の大不祥事ではないのだろうか。幸田は、そうですか、と話を流してしまったが、えーそれだけ?と思ってしまったよ。そちらの方は、ドラマを支える背景として機能させるつもりもない、単なる彩り程度の扱いであった、というわけである。また、最終回は、もっと主人公ふたりの心情に寄り添った、葛藤のドラマがあるかと思ったが、そちらも比較的軽めの印象。晋助は二言目には「皆、好きでゾンビになったんじゃないんだ」と言うけれど、最初は引きつけられた言葉も、そこから先に進まない物語では、次第に力を失ってしまった。

ゾンビものを作るのは、低予算で簡単そうだけれど、ちゃんとしたものにしようとすると案外難しい。生と死に直結する内容だし、ドラマとして案外やれることの幅が広いので、あれもこれもと思うと収拾がつかなくなるだろう。そもそも、当初はメイン監督のはずだった河原雅彦は、一体どこへ行ってしまったのか。製作発表のときには、「新しい世界観を考えた」とかなんとか言ってなかったか。最終回までもが、熊坂出の演出。途中でバトンを渡してしまったのか。それとも熊坂出、というのは河原雅彦の変名なのか。

勿体なかったのは、レギュラーの面々を全く生かし切れていなかったことだ。ただ、そこにいるだけ。その場の笑いとしてしか、使われていないのでは…。彼らの人となりを、もっとちゃんとみたかった。それをいうなら、具体的には彼らの仕事がどんなものなのか、役所の中の特別福祉課とはどういう存在なのか、総合保険管理センターとはどういう組織なのか、などなど、そういうディテールをつめていくだけでも、面白そうなことは出来ただろうにな、と思う。そこまで話を練る時間が足りなかったのではないだろうか。叩き台にする原作もなければ、余計に…と書いて、そういえば盗作騒動もあった。
原作は未読のままだが、結局、福満しげゆきのコミックとは、違う内容になったのではないのかな。仮に出だしは真似したとしても、あれだけ話題になってしまったら、そこから先はもう真似は出来ないだろう。当然コミックと違う方向へ進めるだろうしねえ。盗作でないとしても、そういうコミックがあると知れば、違う展開を考えるだろうし。全体的に、少々物足りない結果になったのは残念であったが、スタッフ、出演者の皆さまには、お疲れ様でした、といっておきたい。そしてテレビ東京には、「セーラーゾンビ」「玉川区所」に続く第三のゾンビドラマを期待したい。1話完結のゾンビアンソロジーみたいなのがいいなあ。

最終回では、保険管理センターの隠蔽行為も明かされることで、河井青葉さんの出番も多めでした。いつものようにテレビ画面直撮りなので、ノイズが入っています。おまけに手ぶれでテレビの枠も入ってしまってる…。






走る河井青葉という画づらも珍しかったが、そこからのジャンプ!

抱き合って、大森課長とキス!特別福祉課の面々共々、ええ〜ッ!!という感じ。

そして町田管理官がひた隠しにした秘密がコレ!ドンッ!!

岸井ゆきのさんも、合点承知、で締め。良かった。