眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

村上かつら 「ラッキー Are you LUCKY?」がまさに現実に

製造元に捨てられたロボット犬「AIBO」…“治療”にあたる元エンジニア集団
という、産経新聞の記事(→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150104-00000516-san-soci)
ラッキーはAIBOよりも、もう少し先の時代のロボット犬だったけれど、現実にあのマンガと同じようなことが起きている、と知った。記事を読んでいるだけで泣けてしまう。それぞれの家庭では変わらず動いているもの、使われているもの、そして何より愛着を持たれているものが、売れなくなったとか、製造が中止になったとか、そんな企業側の理屈で、簡単に過去のものとなっていく。生むだけ生んで、あとは知らないというのか。サポート期間が終了したら、後のことは知りません、てか。そうすることで、どれだけ多くの人々の心を傷つけたか、企業側は判っているのだろうか。消費することを悪とは言わない。だが、長い年月を共に生きれば、機械にだって情は移る。壊れたらそれまで、新しい物を買ってそれを愛してください、という論理。それを受け入れられる人はいい。だが、出来ない人もいる。それは、心を捨てろと言っているのに等しい。企業としては、それは当然なのかもしれないが、人の心はそう簡単に割り切れるものではない。まあ、その商品を売り出さなければ、出会いもなかったのだと思えば、新しいものを開発する側のやっていることの重要さも、頭では理解出来るけれど、しかし、あとのことは個人でやってくれというのは、ずるい。結局、民間の力でなんとかするしかない、という現実。社内に、対応窓口を残しておくくらいのことは出来ないのかねえ。せめてそこを窓口にして、民間に修理の依頼をするくらいのことはやっていいんじゃないかと思う。
などということを踏まえて、「ラッキー」を読み返すのは、とてもよいのではないでしょうか。また、より多くの人に、素晴らしい作品の存在が知られてほしいですね。

ラッキー―Are you LUCKY? (ビッグコミックス)

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