眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

おいしいトーストの焼き方について。

朝食は食パンにしている。スーパーで売っている、角が4つある普通の食パン。バターを塗るなりジャムを塗るなりして、あとはコーヒーでもあればそれで充分朝食になる。ご飯でもいいのだが、まさかそれだけというわけにもいくまい。どうしてもおかずが必要になる。まあ、白米だけで、ふりかけや海苔で食べてもいいのだが、それだとちょっと寂しい気がする。結局のところ、面倒なことを朝からしたくない、ということである。
といっても、朝の作業簡略化のためだけに食パンを選んでいるわけではない。食パンが好きなのである。しかしながら、その焼き加減には色々と不満があり、どうにかしてもっとおいしくならないか、と模索していた。
焼けた直後はいい。最初のひと口、ふた口は、サクッという音と食感が、耳にも口にも心地良い。だが、半分くらいを食べ終わるころには、噛んでもサクッという感じが無くなる。しなっとした力のない歯ごたえになり、それを口に入れて噛んでもふにゃふにゃするばかり。サクッ、ガシガシッ、という感触が、食べきるまであって欲しいのである。

うちにはオーブントースターがない。10年ほど前に壊れてからは、ガスコンロのグリルで焼いている。当たり前だが、問題なく焼ける。こんなもんだ、と思って食べていたが、次第に不満に思えて来た。どうもパサパサするなあ…と。

そこで何か他に方法ないかねえ、と探していると、ギマランイスイホーザのポルトガルのパン焼き器、というのを見つけた。石黒智子さんが絶賛していたそうで、やけに売れた時期があったようなのだが、これならおいしく焼けるかも!と興奮してさっそく購入。↓これなんですけれどね。

表面はカリカリに焼ける。中も温まってしっとりとして、食べやすくおいしい。これはいいな、と思ったのだが…。トーストだけを食べる分には何も問題はないのだが、バターやジャムをのせた途端、ふにゃっとなってしまうのだ。中まで火は入っているけれど、焼けているとまではいかないためだろうか。水分の多いものが乗っかると、潰れてしまう。せっかくのトーストの厚みが半減してしまう、としたらどうですか。まあ焼き方が甘いのかもしれないけど。

そんなある日、NHKの「あさイチ」で、おいしいトーストの焼き方、というのをやっていたのである。それによれば、

1.まずグリルを30秒、あらかじめ強火で温める。
2.パンを投入、1分焼く。
3.裏返して、30秒。

という具合である。実際、これはかなりおいしく焼けた。楽だし、時間もかからない。これでいい、これで行こう!と思っていたのだが…。

それからしばらくして、知人が引っ越すにあたり、ガスコンロを捨てるというのでもらうことにした。それまで使っていたものは、コンロの一つが点火しなくなっていたので。有難いなあ、と思いながらもらいうけ、しかし設置してみて気付いたのは、グリルがやけに小さかったことだ。そのせいでかどうかは判らないが、それからは「あさイチ」方式で食パンを焼いても、以前ほどのおいしさにならなくなってしまった。火力が足りないせいだろうか?調節がどうもうまくいかない。でもまあ、我慢出来ないほどまずくなるわけでもないので、それに甘んじていたのである。

ここで話しは少し逸れる。食パンは食べにくくないか?と常々思っていた。関東では8枚切り、関西では6枚切りが好まれているらしいが、パンの厚さの話ではない。大きさについてだ。当然、一口では口に入らない。一辺を多分、2回、3回と噛むことになると思うのだが、すると口の両側にパンが接触する感じになる。ジャムなどがつかないようにするには、大きく口を開けるしかない。これがなんとも面倒というか不快なのだ。6枚切りや8枚切りでもイラッっとするのに、たまに気まぐれで4枚切りなど食べてしまったときなど、不愉快さはさらにアップする。多くの人はおそらく気にもしていないと思うのだが…。わたしは、まず角を食べ、隣の角を食べ、そのあいだの残った出っ張りを食べるという方法で、口の汚れ問題を回避しているだが、それをみた人には大抵笑われる。

またトーストを、上から下に向かって食べるのも疑問に思っていた。食べ方もまた人それぞれであろうとは思う。だが多くの人は、直立している状態で言えば、食パンの上辺部分、あるいは下辺部分から食べているのではないだろうか。その場合、上から下へ、または下から上へと食べ進む形になる。しかしながら、食パンの繊維(?)は上下方向に流れているので、それだと大変噛み切りにくい。横から食べた方が、容易に噛み切ることが出来、しかも断面のふんわり感も楽しめるのに。

ということで、食パンを焼く前に、二つに割るようになった。もちろん、縦方向ではなく、横にである。長方形の短い方から行けば、角をふたつ抑えていく形で食べ進められる。口の両側が汚れることはない。しかも繊維にそっているので、パンがほろりと剥がれる感じになる。おいしい。そして気付くのである。断面が増え、内側に隠れていた部分を焼くことになるのであれば、火の通りはもっと良くなるのではないかと。

そこで、一気に焼きあげるのではなく、じわじわとあぶって水分を飛ばしてみようと思い、弱火でじっくり熱してみることにした。。グリル内の火が赤くならないように、青白い炎だけで焼く。よく注意していないと、いつ焦げるやら判らないので、こまめにグリルを覗き、焼き目がついてきたら裏返す。今までよりも多少手はかかるが、そうして焼き上がったトーストは…。

カリッカリ!

いやもうカリカリすぎて、ラスクの何歩か手前みたいだけど。サクサクの食感は今までにない明瞭なもの。中の水分がいい感じに抜けてしんなりとならない。パサパサにもならない。最後までサクサクのまま。とうとう、望んでいたトーストを手に入れた!食パンを割って小さくしたからか、じっくり焼いたからか。どちらがプラスになっているのかは判らないけれど、小さくしたことで食べやすく、またカリカリに焼き上がる以上、これからはこのやり方でトーストを作ることに決めた。えー?と思っている人も、一回くらいは試してみて。上手くいけば、トースト人生が変わるかもしれない!ダメならダメで、そんときはご免。