眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

なめたけは、買うより自分で作ったほうが良い!

なめたけが好きである。子供のころから好きだった…というか、子供は皆、なめたけ好きだと思うのだが、如何であろうか。

なめたけはぬるぬるした液体にまみれていて、その食感が楽しい。そのうえ、おいしい。子供の頃は、ひと瓶をあっという間にあけてしまって、親に叱られたという人も、少なからずいるかと思われる。自分の過去を、普遍的なもののように言うのはどうかと思うが、実際そうではないか?

しかしながら大人になると、おいしいけれど、さほど積極的に食べようと思うものではなくなる。安いものは、100円程度でも売られている。高いといってもそこらのスーパーで売ってるのはせいぜい300円くらいのもので、買って買えないものではない。だが、いまいち手が伸びにくいのは、お得感が薄いからではないだろうか。コストパフォーマンス感が低いとでもいうか。

子供の頃は、親に(一気に食べるなと)たしなめられたが、大人になると、歯止めがない。ほかほかの白い飯に、なめたけを好きなだけ乗っけてわしわし食う!たまりませんな。しかしだ、100円クラスのものは、なめたけの主体である、えのき茸の量自体が少なくてほとんどが汁、というケースもないではない。そうすると、せいぜい、4、5回食べれば無くなってしまう。場合によっては3回でおしまい、なんてこともあろう。値段が高いものは、えのきの量も多いのだが、そうすると「なめたけに300円も400円も出すのはなあ…」というぼやきが生じてしまう(しないという人には申し訳ない)。

それが、お得感が薄い、コストパフォーマンスが低い、と感じた理由である。この不満があるがゆえ、長らく、なめたけを買うことはなかったのだが…。
なめたけって自分で作れないのか?

と思い、検索したら、なんだ簡単に出てくるじゃないの。ああ、やっぱり自分で作れるんだ、と。ということで、早速やってみた。買ってくるものは、えのき茸のみ。200グラムでも100円以下のときなどに、喜び勇んで買いますよね。あれですな。

調理方法も簡単すぎてあっけにとられるほど。火にかけた鍋に、切ったえのき茸200グラムを投入。そこに、醤油大さじ3、みりん大さじ3を入れ、よく馴染むまで混ぜるだけ。しばらくやってると、とろん、ととろみが出てくる。お、この感じ、という頃あいで火からおろす。わたしは、砂糖を小さじ一杯ほど入れて、少し甘めにするのが好き(仕上がりがまるで市販のものみたいになる)なのだが、そこはお好みだ。

さて、出来あがったものを食べてもおいしいと言えばおいしいが、出来れば、一晩おいた方が良い。時間経過とともに、うまみが増すというか…。一晩というかむしろ、二日三日と経った方が、我々のよく知る、なめたけそのものになっている。色合いも、味も。100円で(まあ、調味料とかガス代とか言われるとあれだが…)、これだけの量のなめたけが食べられる!汁の量を多く水増ししたようなものではなく、えのきがぎっちりとした、なめたけ…。

そうか、お手軽で便利、という消費の一方で、簡単に出来ることですらも、お金に変えて手にしていたのだな、と思ってしまう。もっと手間がかかるのなら、まあそりゃ買う方が楽だしな、と思うだろうけれど、これは本当に簡単に出来てしまうので、さすがに、あれ?ここまで楽をしなくてもいいんじゃないか?と。その上、買うより安く、味も遜色がないのなら。

元々、節約好きではあるが、これは久々に、心をときめかせる節約だったです。なので、なめたけは、自分で作った方がいい、という話し。日曜の午後にでも、散歩がてらスーパーに行ってえのきを買い、軽い気持ちで作ることをおすすめしたい。月曜からの数日間、食卓にいつもと違う喜びが生まれること必至。少しの手間で、より愉しい生活を目指せるものなのだ、と。ひっそりと、ささやかな喜び、愉しみをもっと見つけて行きたいものです。