眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

『チャッピー』ブルーレイ&DVD発売について


つまり、勝手にカットし、監督には許可を取ったと嘘を言い、公開中は嘘だということを隠し、ブルーレイ&DVDにはアンカット版を入れるから買ってね、と言っているわけだ。

カットそのものの許可は、製作会社なりプロデューサーなりとやりとりがあった結果、OKとされたものなのだろう。だが、ソニー・ピクチャーズは、「監督に賛同を得た上で編集を加えた」と言っている。何故、こういう嘘を平気でついてしまったのだろう。現に、監督からは「聞いてないけど?」とツイッター上で言われてしまった。すぐばれることを何故やるのか。しかも、嘘だとばれたあとも、それへの公式コメントはなし。実害はないと判断したのだろう。

そして今回のブルーレイ&DVDの発売。劇場公開時にはカットされたものが入ってます!って、こういうのもマッチポンプの類ではないのかな。自分たちの都合で勝手にやったことに振り回される観客、ユーザーが、本当にバカにみえる。いいようにあしらわれてるなあ、と。「別に公開しなくてもよかったんだよ(どうせ客入んないし)。公開しただけましだと思ってほしい」と思っているのではないかな。

会社全体の判断ではないかもしれない。クレームをおそれる人間がひとり、強引に事を通した結果なのかもしれない。だが、どっちにしたって、結果は、ソニー・ピクチャーズは嘘つき、ということにしかならないと思うのだがな。この文面みたところで、謝罪している感じは全く伝わらないし。反省なんて全くしていないでしょ。今後も同じようなことがあるだろう。これはソニー・ピクチャーズに限ったことではない。どの映画配給会社でも、同じことをやる可能性を孕んでいる。

「チャッピー」は、映画自体がヒットには結びつかなかったこともあって、話題としては小さいものかもしれない。が、今回の件が、これくらいで終わってしまうのは、映画興行がもはやその程度の力しか持っていないということなのかもしれない。メジャーであることにあぐらをかいたような商売をしていたら、大きな獲物を取り逃がすことになるのだが、そんなことにすら気付いていないのだろう。不幸なことである。その不幸は、結局、観客の側に回って来る。見たい映画が公開されない、カットされてしまう、などなどといった形でね。そりゃ、映画館でみるのはバカ、という人が増えてくるのも判るってものよ。