眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

クラシック音楽館  N響ほっとコンサート 映画音楽をN響で!

N響による映画音楽の演奏会。

演奏曲目は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「メリー・ポピンズ」「スター・ウォーズ」。続いてMay J.歌唱による「アナと雪の女王」「レ・ミゼラブル」「タイタニック」。映画に使われたクラシックで「カヴァレリア・ルスティカーナ 間奏曲」「フィンランディア」。アンコールで「E.T.」のフライングテーマ。指揮は山下俊史。

全体的にテンポはゆっくりめ。子どもやクラシックビギナーのための特別公演ということなので、それを意識したためなのかも。しかしいずれも素晴らしい演奏。「スター・ウォーズ」の「王座の間とエンドタイトル」は、最近はオリジナルスコアではないものが演奏されることが増えているのだろうか。Youtubeで検索して出てくるライブ映像は、今回と同じ物が多い。ジョン・ウィリアムスが演奏会用に書きなおしたのかもしれない。その辺の事情はあとで調べるとする。

May J.による3曲(「レ・ミゼラブル」は「アイ・ドリームド・ア・ドリーム」)は、定番中の定番ながら、どれも如何に歌いあげることが出来るか、というところに注目が集まるものばかりで、これを続けざまに歌うという技量に感服する。「アナ雪」で一気に人気となったものの、あまりの松たか子人気のために損をしたところもあったが、そんなことで挫けたり倒れたりするような歌手ではないと思わされる。持っているものが桁外れ。クラシックの大オーケストラに負けない、素晴らしい歌唱だった。

司会進行は、平井理央。なんだか久しぶりにみた。第1コン・マスの篠崎さんのおしゃべりは相変わらず軽妙でいいですね。指揮の山下さんは「映画はお好きですか?」の質問に「好きです」と言ってはいたが、そのあと話しに出たのが「寅さん」だったりして、本当はそれほどでもないとみた。いや、観客の年齢層が高めということを考えて、あえて寅さんだったのかも…。

しかしながら、子供たちにクラシックコンサートへの入門として映画音楽を、というのはいいのだが、実際にこの曲目でどこまで喜んでくれるのか?という疑問はある。映画はどれも古めで、今の子供たちが知っているかどうかというと少々心許ない感じ。じゃあ何を演奏すればいいのか、となったときに、聴けばわかるこの一曲、という太いテーマ曲を持っている映画って意外とないな、と思わされる現実。少子化で、当然クラシック人口も減っていくと予想されるが、その中でどのようにして子どもたちになじんでもらうか、というのは大変重要な問題ですな。クラシック関係者とは全く縁もゆかりもないが、ラインナップを考えてみようかとも思います。

Eテレ/2015.9.6.(日) 午後9時〜11時/