眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

ピープロ特撮秘宝 第3回 「スペクトルマン」

第1回「マグマ大使」の感想
第2回「電人ザボーガー」の感想
第4回「怪傑ライオン丸」の感想

番組タイトルが3回変わったことで知られるが、第1話のときは「宇宙猿人ゴリ」。昔から、不思議な気がしていたものである。

とはいえ、主題歌はこれが一番好きだな。

蒲生譲二(演:成川哲夫)の公害Gメン参加のくだりが可笑しい。ネビュラ星は、知能も科学も発達している。彼らにかかれば、人類の洗脳など簡単な話と思うのだが、参加方法が、蒲生自身の強引さという人力に頼ったものなのが凄い。大平透演じる室長をいきなり「ボス!」と呼ぶのも、みていて笑った。ネビュラは、人類のことを完全に理解は出来ないということなのか…。

公害Gメンは、一応政府機関なのだが、問題意識をもった民間団体くらいにしかみえない。オフィスが雑居ビル内の狭い一室、というのがその理由のひとつでもある。第8分室、というのも、予算あんまり廻って来なさそうだし、ある意味ではリアル。あと面白いのは、メンバーの男たちは、蒲生のことを胡散臭そうにみているのに、紅一点の小西まち子演じる遠藤理恵だけは、そうでもなさそうなこと。こんなむさくるしい部署に相応しくない、お洒落で軽快なところが素敵。特撮ドラマの女優さんは、大抵添え物で、あまり印象に残っていないのだが、今みると、あ、こんなにきれいな人だったんだ、と思うことが多い。というか、子どもの頃は、本当に、おねえさんに興味なかったなあ。蒲生のことしか考えていなかった。バカだったな。もう少し早く色気づいていればよかった。

富士の浦の港から出現するヘドロンは、ぬいぐるみなどの大きなサイズのものは作られなかったようで、ミニチュアサイズ。スペクトルマンも、スーツの活躍はほとんどなくて、飛び人形がぐるぐると旋回している場面が多い。放送開始までに時間がなく、短時間での製作が強いられたことは有名だが、この特撮シーンをみていると、それが如実に伝わってくる。不気味な雰囲気はかなりいいけれど。しかしこれまた2話完結なので、全く中途半端なところで終了。続きがみたいよ。

これも有名な話だが、「スペクトルマン」で一番印象に残るBGMが、「西部警察」で使われている。「西部警察」の第1回は鳴り物入りの話題作だったので、煽られてみていると、このBGMが使われていてたまげたものである。

このことを友人に言っても、信じてもらえなかったことも懐かしい。

そういえば、「スペクトルマン」で忘れられない場面。何話かは覚えていないが、蒲生がバースデーケーキを、箸で食べる場面があった。ケーキを箸で、という取りあわせの絶対的なズレに激しいショックを受けたのだが…。皆、そうでもなかったのかな。「フランス料理をお箸で」というのは最近は普通にあったりもするが、「洋菓子をお箸で」というのは、なかなかなかろう。お箸で食べやすい洋菓子、という試みもほとんどされることはない。これはこれで、なんでやらないのだろうと、不思議な気もするのだが。