眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

第67回NHK紅白歌合戦 シン・ゴジラ 「渋谷紅白迎撃作戦」 感想

どういう形で番組に絡めてくるのか愉しみにしておりました。結果としては、嬉しさは勿論ありつつも「まあそういう風にするしかないのかな…」という、少々不満の残るものにもなっていたなあ、というのが個人的な素直な感想。

新規撮影されているのは、とても嬉しかった。登場したのは長谷川博己大杉漣、渡辺哲、松尾諭津田寛治塚本晋也、吉田ウーロン太、谷口将太、という面々。基本的には皆、映画の芝居をなぞっていたが、渡辺哲だけが妙にしつこい芝居になっていた感じ。笑わそうとしてたのかな?撮影も、映画のトーンに合わせたものでワクワクさせてくれた。

番組放送中に、ゴジラの出現と上陸、渋谷方面に進行中と、速報の形で挿入されていくのだが、これと番組自体の進行がかみ合っておらず、司会の二人もほとんど棒状態で、あまり盛り上がらない。いよいよNHKにまで到達したゴジラの前で、武田アナがPPAPをやるというのが一番の異常事態で、ここは盛り上がっていましたな。

ゴジラを倒すためには、良質な音楽を聴かせるしかない!という展開。そこでYOSHIKIが、司会の相葉雅紀に「僕たちが止めます」といってピアノを弾き始め、Toshlの「ゴジラを倒すぜえええ!」のシャウトで、X JAPAN「紅」へ。アーティストで絡んでくれたのは(ピコ太郎と)X JAPANだけだった。

相葉雅紀有村架純も、不慣れなのは判るけれども、「シン・ボジラ」パートだけでなく他の寸劇(タモリとマツコ)や中継、出演者へのコメントを求めた後に、間を作りすぎるのでいかにも段取りでやっています感が強くなってしまい、白けた空気を作り過ぎてしまっていたな。ゴジラが上陸している未曽有の危機を、エンターテインメントとして昇華しきれていなかったのは残念でした。というか、番組の構成自体に無理があったということだろう。

ゴジラの映像は、映画本編から抜き出してきたものだったのかな。新たに作ったという感じは薄かった。最後に凍結するところもまんま使われていたけれど、これはかなりのネタバレ。気にする人もいないだろうけれど、もしも自分が作り手だったら「ああ、そこまで見せるんだ」と驚いていたと思う。というか実際驚いたのだが。

というわけで、嬉しくもあり、残念でもあり、という結果。でも、映画が好きな人間には思わぬプレゼントだったのは間違いない。まあ、なかなかよい年の締めだったのではないでしょうか。

紅白歌合戦という、番組自体の感想で言えば、今回は特に、祝祭感が薄く感じられたので、2017年はもうちょっといろいろ考えてほしいものです。あと、歌手とダンサーの組み合わせはやめた方がいいと思います。個人的には、特に香西かおり。橋本マナミしか見てないよ。