眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

アウトバーン ★★★

監督 エラン・クリーヴィー/2016/米=独=英=中

アメリカからドイツに逃げているケイシーは、ジュリエットと知り合い、自動車泥棒の裏稼業から足を洗う。が、彼女が腎臓移植が必要な体と知り、高額な医療費を稼ぐために再びやくざ稼業に手を染める。

アウトバーンの場面は、さほど見せ場になっていないが、全体はノンストップのアクション映画。しかし要所に息継ぎのようにドラマを入れてくる辺り、非常に律儀。テンポを失うことよりも、映画として大切なものを残した感じに好感が持てる。観光地でのアクションは、ロケ地の全面協力のおかげか非常に見応えがあるが、誰にも銃弾が当たらない。それが全面協力の理由かもしれないが、そこに限らず死人はほとんど出ず、また死んだのかどうか判らない形に場面が処理されている所も多く、意図しているものもあるのかもしれない。ベン・キングズレーアンソニー・ホプキンスの出番が意外にあることにも驚いた。ドラマにも絡み、銃もぶっ放す。特にベンの演じるゲランはかなりいいキャラクター(ケイシーを「バート・レイノルズ」と呼ぶのが可笑しい)で、愉しい。二人とも最後があっけなさすぎるけれど、主役のニコラス・ホルトフェリシティ・ジョーンズよりもずっと華があった。