眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

「官能小説か 烏賊川遙のかなしみ」 感想


官能小説家 烏賊川遙のかなしみ』(蒼崎直/徳間書店)

ゴールデンコンビであった挿絵画家・深水春馬が亡くなったことでスランプになった官能小説家・烏賊川遙。挿絵の後任として深水の孫の新人イラストレーターが抜擢されるが、彼、MOMOZIくんは同人誌で萌えでロリなエロ漫画を描いてきた人だった…。

カルチャーそしてジェネレーションギャップに驚き戸惑いながらも、イラストを(MOMOZIくんも)受け入れながら執筆していく烏賊川先生の姿が可笑しくて、またとても楽しい。二人のやりとりも微笑ましい。ゲストキャラとの絡みも面白くて、かと思うとシリアスな話が入ってきたりするのもいい。最後に収められている話は烏賊川先生が飼っている猫の視点で(ファンタジー込み)描かれているのも、猫好きとしては嬉しいところ。これは素直に面白い作品!さらりと軽いところが心地よい。この作者の作品で、本にまとまってるのはまだこれだけなのかな。もっと読みたい。