眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

別冊映画秘宝 モスラ映画大全(洋泉社)


昨年の夏に発売されたムック本。ということは、『モスラ』が公開されて今年の夏で51年が経つということ。我が人生において、モスラゴジラの存在は決して外すことが出来ないもので、何故なら、昭和45年の『東宝チャンピオンまつり』で『モスラ対ゴジラ』を見ているから。これの衝撃は大きくて、そのあとしばらくこの二大怪獣の絵ばっかり描いていたくらい、はまってしまったのだった。その後も『モスラ対ゴジラ』は比較的テレビでも放送されることがあったし、さらに『ドラえもん』の併映としてまた見ることになる。東宝の数ある怪獣の中でも、モスラゴジラと並ぶ大好きなキャラクターで、今頃になって読んでるのはいささか自分でも納得がいかないところではあるのだが、ちまちまと読み終えてみて、やっぱり昔の怪獣映画はいいなあ、とそれくらいしか言うこともないのだが、とにかく主に第1作の『モスラ』に関わった特撮スタッフの面々の貴重な話が満載で全く飽きることがない。特に、ロリシカが舞台となるクライマックスは実はコロムビア映画の希望によって急遽変更されたもので、元々は九州へ逃げたネルソンたちを追いかけるという話であり、それについての証言なども実に興味深い。とにかく色々と、えっ、という話が出てきて楽しいのだが、一般人にとってはどうしてもいい話(壊れるミニチュアが石膏で作られてるからどうした、てなもんでしょう)、というのに気付くとき、怪獣が好きで良かったなあと、自分の中に流れる血の濃さを改めて意識するのであった。普段はマニアともオタクとも思ってないんだけど(知識も行動も半端なので)、こうしてみるとやっぱり、浅いけれどもマニアなんだなあと実感するのでした。